ワインと和食の店
(この記事は、Wine and Japanese Restaurantsの日本語訳です by j-akujiki posted on Feb 12, 2013)
ワインは、日本にとって別に新しいものではありません。 16世紀にイエズス会の宣教師達によって日本にもたらされました。 ただ伝統的な和食の店でワインが置かれるようになったのは、この数年の事です。 私が広尾で見かけた様に、普通のお店の看板に葡萄酒と書いてあるのを見て頂ければ、ワインが特別の階層だけでなく一般のサラリーマンにまで広がっているのが判って頂けると思います。
ワインの人気には、ワインの専門家が大きな影響を及ぼしています。アメリカでは、ローバート・パーカー、イギリスではジャニス・ロビンソンです。 日本で一番影響力があるのは、実生活でもワイン愛好家で食通で、かなり大きなワインセラーを持っている樹林ゆう子と伸(姉と弟)の二人です。 彼らが亜樹直というペンネームを使って書いた「神の雫」という非常に人気がある漫画シリーズは、世界で一番のワインを探すという話についてです。 このシリーズは何カ国語かに翻訳され、日本国内外でのワインの売り上げの上昇に貢献 してきました。
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ある晩、銀座の寿司幸本店で、すしの職人さんがカウンターの隅に座っていたカップルにヴォルネ・ワインを出していました。 職人さんの手が空いたときに、話してかけてみました。
「ワインを出すとは知らなかった。 ワインリストはないようだけど。」
「ワインリストは、ありません。」
「だったら、ワインを出す事やどんなワインがあるか、お客のほうがどうしてわかるのかな。」
「ご希望の方々だけに、お勧めするのです。」
そういうことだったのです。
職人さんは続けて、寿司幸の主人は20年もブルゴーニュ・ワインを集め続けていて、今では4箇所で1万本以上保存していると言われました。
「でもブルゴーニュの赤は、お寿司に合うかな。」
「合いますよ。特に赤身の魚に。でもある程度、年代ものでないと。」 ある程度とは、10年以上との事だそうです。
「自分は白ワイン党で、ムルソー・ワインが好きだけれど。」
「大丈夫ですよ。うちにも、いろいろあります。 コシュ・デュリ, アント, コント・ラフォン,… 」 などとブルゴーニュの白ワインの著名な銘柄を言い始めました。
「じゃあ、ムルソーと合うのは何かな。」
「穴子ですね。ワインの酸味が穴子の皮の下の脂まで浸透して、絶妙に調和します。」
そして続けていいました。「明日は店に出ない日なのですが、もし昼にいらして下さるのでしたら、いいムルソーを一本用意してお待ちしておりますが。」 どのムルソーともいくらとも言わずに、ただお勧めをして下さいました。
京·百万遍 梁山泊
(この記事は、“Ryozanpaku 京·百万遍 梁山泊“の日本語訳です by j-Akujiki on Feb 3, 2013)
京都にある「梁山泊」は、私達のお気に入り料理店の一つです。
数年前、雑誌で「梁山泊」の事を読んだ時、私は中国料理店を連想しました。 というのも、『梁山泊』とは水滸伝(中国の四大古典小説のひとつ)の中で主人公たちが住んでいた場所だからです。 ところが、実際の料理は大変洗練された京の懐石料理だったので、とても驚きました。
梁山泊のご主人で料理長の橋本憲一さんは、お客様が十分に食べて飲んで、本当に喜んでほしいという願いから、水滸伝の主人公たちの生き方である「大杯酒、大塊肉(たくさんの酒と肉)」を「食べて飲んで楽しむ」にちなんで、お店の名を「梁山泊」と名付けられました。
毎朝、橋本さんは京都卸売市場(東京の築地市場にあたる京都の卸売市場)に出向き、旬で最高に新鮮な魚と野菜を入手して、それらの食材を非の打ちどころのない素晴らしい料理の品々に変えてしまうのです。
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「梁山泊」は日本の素晴らしい伝統家屋にあります。 小さな庭にある石畳の小道を歩くと、木の門があり、そこをくぐるとお店の玄関の扉があります。 扉を開けるとすぐに、微笑みを浮かべた着物姿の女将がお客様を接待してくれます。 玄関の向こうには大きな部屋があり、そこには繊細な手彫りがほどこされた大きな長方形のテーブルが置かれています。 その右側に客が座れるカウンターがあり、その向こう側にカウンターから見ることのできる料理場があります。 カウンターの上には墨の手書きメニューが長い紙に書かれて吊り下げられています。 その左側には飾り棚が置かれ、上の座敷(いくつかの畳の部屋)に通じる階段があります。 部屋の床には平らな石が敷き詰められていて、天井は木の格子で覆われています。 畳の部屋はみな広く、伝統的な和風の飾り付けがしてあり、各部屋の床の間には掛け軸や生け花が飾られています。 昼間は庭園の見事な眺めを楽しむことができます。
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これが梁山泊で私達が食べた料理の例です。
先附 – 茶ぶりなまこ, 筍の木芽和え, 数の子
お吸いもの
お造り - 鱒, 細魚, 皮剥, 虎魚, 紋甲いか
炊き物
氷見鰤 の西京燒, バナナと梅干のわさびクリ一ム和え,
唐墨大根, 豆腐のスモ一ク, 胡麻蒟蒻 , 膾
燒物 -- 燒あわびの肝ソース和え
御飯
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梁山泊では、日本酒の他にシャンペンや赤ワインなど数多くの酒類が出されます。 2,3年前、私達はそこで初めて発泡清酒を飲みました。 その発泡清酒は、ある杜氏の方が橋本さんのために特別に醸造したものでした。日本酒ではシャンペンのように泡が立たないことは明らかですが、発泡清酒のフィズは非常に気持ちのよいものでした。 また、橋本さんはお店に日本のウイスキーも用意されています。 ある晩、彼は私達の夕食とウイスキーを組み合わせて下さいました。 そのウイスキーは、12年ものの「白州」、17年ものの「響」、19年ものの特製「瞳」(山崎蒸留所による1991年製造のひと樽)でした。また、別の豪華な食事の際には、ジャド (Jadot) 社による2009年ボーヌ ( Beaune) プリミア・クリュ (Premier Cru)「150周年記念キヴェ( Cuvee )」を分けて下さいました。
橋本さんは、並外れた料理の達人であり、日本やアジア、ヨーロッパの料理と高級ワインやウイスキーにも精通していらっしゃいます。 女将である上品な橋本夫人と橋本さんの明るいお嬢さんは、実に愛想がよく、丁寧な手厚いもてなしをして下さいます。 お客が到着してから店を出るまで、食事の隅々までをきちんと確認して下さいます。 私達は、カウンターであれ、畳の部屋であれ、梁山泊での食事をいつも楽しんできました。 常に心温まる歓迎があり、極上の料理と飲み物、非の打ちどころのないサービス、さらに素晴らしい雰囲気・・・他に何を求められましょうか。
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最近、日本や香港、アメリカ合衆国で、「梁山泊」という名のお店が数多く出現しています。しかしそれらは、私達の一番のお気に入りで、ミシュランが京都の百万遍地区でただ一軒二つ星に選んだ店「京・百万遍 梁山泊」とは関係のない店なのです。
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京·百万遍 梁山泊
住所 : 〒606-8301 京都市左京区吉田泉殿町5
日本でもおいしい中華料理が食べられます
(この記事は、Japan
Has Good Chinese Foodの日本語訳です, by j-Akujiki on Feb 3, 21013) )
香港や中国本土、台湾で、おいしい中華料理が食べられる事は、当然の事です。 でも、日本でも同じようにおいしい中華料理が食べられる事を知っていますか。
東京と大阪のいくつのお店で私が写した写真が、その証しになるといいのですが。写真の五つの料理は順に、炸子鷄(鶏の姿揚げ)、蚝皇鮑魚(鮑の姿煮オイスターソース)、鮮蟹肉桂花翅(フカヒレ、蟹肉、玉子のソテー)、焼腩(豚肉の皮付き揚げ)、紅焼国産山瑞(スッポンの煮込み)です。
ただ、日本の中華料理店のすべてがこのように手の込んだ料理を出すわけではありません。 多くの店は、日本人の好みに合うように変えられた日本風の中華料理を出しています。その中でも人気があるのが、点心のシュウマイと小籠包、前菜の棒棒鶏とくらげ、メインの料理の麻婆豆腐です。勿論、チャーハンやチャンポンにも人気があります。ラーメンと餃子は、手軽で手っ取り早く済すことのできる食事の中で、多分日本で一番人気があると思います。 このように、中華料理店は日本のどこにもあり、日本人に愛されているのです。
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